僕のあまのじゃく#56

ティモンディ前田裕太さんの人気コラム【前田裕太の乙女心、受け止めます!】がリニューアル。

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ガラリと雰囲気を変えて、毎週変わるお題に沿って、前田さんに自由に言葉を紡いていただくフリースタイルエッセイ【僕のあまのじゃく】をお楽しみください♡

テーマ:怪我

昔、交際していたご令嬢に浮気をされたことがある。

どこまでが浮気にあたるか、というのは議論の余地があるけれど、そのご令嬢は、高身長イケメンとガッツリ夜の肉体的接触を果たしていたので、今回はその余地について言及はしないでおく。

勢いで致してしまえば、誤魔化しても辻褄の合わない嘘を重ねることになって結局バレるので、もし読者諸兄姉も万が一、気の迷いでその手の選択をしそうになった時は、計画的にするといい。
浮気と消費者金融の利用は、計画的に。
いや、そもそもしないのがいいな。

でも確かにさ、まあ高身長イケメンは誰だって浮つくよな。

もし長瀬智也が目の前にいたら恋愛対象がストレートな私でも正気を保てる自信がない。
池袋ウエストゲートパークの彼は、体内の80%が色気で構成されていた程だったから。
(私の中の高身長イケメンの代表が長瀬智也なだけで、今回の件とはなんら関係ないのは野暮だけれど加筆しておく)

番組で、松岡昌宏の近くにいた時があったけれど、途轍もないフェロモンだったので、収録の後半は右半身がトロトロに溶けてしまっていた。

あんな色気が私にもあれば、こんな人生を歩んでいないのだろうけれど、あそこまで漏れ出るフェロモンの持ち主は、それはそれで悩みもあっただろう。

モテすぎて疲れる毎日とか送ってたんだろうな。

話が逸れたけれど、きっと浮気されたのは私にも原因があったのだろう。

ただ、この手の類いの話は、自分が被害者であっても、誰が被害者であっても絶対に許せない。
万が一に相手の浮気を許せるようなご令嬢と出会った場合にも、そこまで至られてしまった場合は、尾を東京-大阪間まで引き続けるだろう。

身体的な怪我であれば時間の経過で傷は治り、大怪我ならば傷跡が残る。

ただ、心の怪我というものは、時間が経っても傷口が塞がりにくく、常に血は流れ続け、大怪我なのに、外から見れば傷跡は残らない。

タチが悪い。

精神性潔癖症を拗らせている私からすると、浮気をされて受けたダメージは、「ジュラシックパークⅢ」の映画のジャケットの爪痕くらい深い傷になった。

可視化したらランボーくらい血を流していただろう。
とんでもない大怪我だ。

ただでさえ他人からの好意を素直に受け入れられないのに、拍車をかけて人間性に捻転を加えられてしまう結果となった。

そりゃ、ツツジの幹が如く捻れた性格になってしまうのも当然だろう。
ピンとこなかったかもしれないけれど、ツツジの幹って、捻れてるのよ。
暇があったら見てみるといい。

ただ、人間過ちなんて必ずするもの。

その後、「もう浮気はしないから」というものだから、信じた。

加えて、その相手とは、会わない、連絡を取り合わない、と約束のもと、交際関係を継続したけれど、例に漏れず、その約束も反故にされることになる。

ねえ見て、と携帯を私に見せてきた時に、その浮気相手とのラインが画面に表示されたのだ。
本当、もう、バレないようにしてくれよ。

ってか、そもそもしないでもらいたいけれどさ。

それからと言うもの、懇ろな関係になった人の携帯は、もう何か自分が傷つくようなものが見えてしまうか分からないから、という理由で、直視できないようになった。

もう幾分過去のことだけれど、心の怪我は、なかなか治るものではない。

目に見えていないだけで、きっとまだ怪我をしたところが瘡蓋にもなっていないのだろう。

この傷は、浮気をされたと事実が分かりやすいから、自分でもケアしてあげられているけれど、きっと、目視できていないだけで、他にも色々な怪我を負っているのだろう。
生きてるだけで、色々とぶつかったりするしね。

自分の精神的な怪我は、自分が一番よく理解して、絆創膏でも貼っておかないといけないね。

ただ、もう二度と、怪我をするような関係は築きたくないものだ。

ー完ー

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