結婚や出産を目の前にした時、女性に優しくない部分がまだまだたくさんある
――新しい経験をされる萌子さんですが、これからの出産や子育てに不安はありますか?
私はすごくラッキーで、いわば、女性ひとりで生きていくだけの”状態”がそろっています。これまで頑張って重ねたキャリア、一人で生きていくための経済力、経験を通して培ったメンタル…またある程度、これからのお仕事のプランも見えている状態なので、現実的な面での『子どもを養っていくことへの不安』は少ないです。いつか子どもが欲しい、と20歳前後から思っていたので、もしかするとひとりで生きていくかもしれないという可能性も含め、長い時間をかけてそろえてきた、と言い換えられるかもしれません。
ただ、そろえようと思っても難しい状況にある方がいることを理解しています。また、結婚や出産を目の前にした時、この国のシステムは女性に優しくない部分がまだまだたくさんあるので、必然的に不安になってしまうだろうな、と心から思います。例えばもし私が今、会社に勤めている会社員であったら、”結婚”ということは必ず視野に入れると思います。そうじゃないとサポートが受けられず、自分の収入も減ってしまう…そういう仕組みになっているからです。
「国がこういうシステムだから、国の課題だからしょうがない」「私はラッキーだからよかった」と、諦めたり傍観したりするのではなく、きちんと自分の意見を発言できるような準備を整えていくことが、そういった不安を少しずつ減らしていく手段なのではないかなと思っています。
子育ては「とても楽しみです」
――子育てについてはいかがですか?
とっても楽しみです♡ 個人的には「こういう教育がしたい!」とかプランがあるわけではないんですけど、これから先、世界がどう変わっていくか分からないなかで、その時々に合わせたことをちゃんと導いてあげられたらなとは思います。その子がきちんと自分を持って、自分を認めてあげて、楽しく生きていけられること。これがきちんとベースにあって、なおかつ社会との調和を取りながら生きていく手助けをしてあげたいですね。
――なるほど…具体的にイメージはありますか?
そうですね…まず大事にしたいのは、子どもに対して”ひとりの人間として接する”ということ。子どもだからといって赤ちゃん言葉を使うわけではなく、「子どもだから」と決めつけるわけでもなく、本当に対等に接します。ただ、人生経験は私よりも未熟なので、わからないこと、間違っていることに関しては導いてあげる、という感じでしょうか。
私も上の方々から見れば未熟なわけであって、導いてもらうこともたくさんあります。シンプルに、人生の先輩たちからしてもらってきたことを、私もしてあげたいと思っています。私がすべて正しいわけではないので、私も自分の意見を言いつつ「あなたはどう思ったか」「なぜそう思うのか」というふうに、子どもの意見や感情を優先して対話がしたいなと思います。