子宮内膜症、卵巣嚢腫…子宮の病気について知っている?

近年、よく耳にするフェムテック。今回は、その中でも子宮内膜症や卵巣嚢腫といった、女性特有の病気にフォーカスを当て、経験者にお話を聞きました。肌荒れで卵巣嚢腫が発覚した子宮内膜症が妊活に影響した…など、知れば知るほど、私たち女性の身近な問題であることに気づかされるはず。

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卵巣嚢腫の手術を3度経験!婦人科受診のきっかけは、フェイスラインの肌荒れ

お話を聞いたのは…
20代後半の女性。仕事はハードワークで、夜中まで働くことも。
3年間で、卵嚢嚢腫の手術を3回経験。

自覚症状は全くナシ。生理痛も軽い方だと思っていたけれど…

「3年前、フェイスラインの肌荒れが酷くて、皮膚科の先生から『婦人科でピルを処方してもらってもいいかもね』と言われたのを機に、婦人科を受診しました。そうしたら、『卵巣が腫れています』って言われて驚きました。卵巣嚢腫※1の中でも、皮様嚢腫※2と診断され、腫瘍の大きさは約7cmだったかな。初めて発覚した時は、全身麻酔が適用される手術を今まで経験したことがなかったし、"うわ、どうなんだろう…"って。予想外の病気が発覚した上に、急に手術ですって言われてびっくり。生理痛はたまにちょっと痛いな、と思うくらいで、基本的には薬を飲んだりすることもなく、軽い方だと思います。自覚症状が全くなかったんです。

※1・卵巣嚢腫…卵巣の中や外に袋状の腫瘍ができる病気で、さらに種類は様々。通常、卵巣のサイズは2〜3cm。
※2・皮様嚢腫…腫瘍の中に、髪の毛や歯などが溜まる症状。

でも、今振り返ってみると、どんな対策をしても、"下っ腹が痩せない"という状態が続いていました。"私、胃下垂なんだよね"ってよく周りにも言っていました。(笑)」

仕事で検診を後回しに…結婚式1週間前、大きさ20cmの腫瘍が発覚!

「3年前に1回目の手術を終え、それ以降は定期検診をしていました。だけど昨年、仕事や結婚式の準備が忙しくて、検診をサボってしまい…1年半ぶりに病院に行ったら、なんと腫瘍が20cmに肥大していました。今度は、漿液性嚢胞腺腫※3と診断され、結婚式は腫瘍を抱えたまま決行することに。

言われてみれば、ドレス試着の時もお腹が出ていたな…みたいな。特に痛みなどの症状がなかったし、腹筋などの運動も普通にしていたけれど、何も違和感がなくて。だから、気に留めていなかったんです。

手術予定日までの間、どんどんお腹は大きくなって、もはや妊婦さんのようになりました。普段履いているズボンもスカートも入らなくなって、着ていたのはワンピースばかり。洋服を綺麗に着こなしたいなって思うと、辛かったです。そして、そうこうしている間に卵巣が破裂してしまい、緊急手術をすることに。結局、腫瘍を全て取り除くことができませんでした。卵巣としての機能もほとんど落ちているから取ってしまった方がむしろ安心だと言われて、今年の3月に左の卵巣を全摘。定期検診の大切さを痛感しましたね。

※3・漿液性嚢胞腺腫…腫瘍の中にサラッとした液体が溜まる症状。卵巣嚢腫のなかでも、年齢問わず患う方が最も多いと言われている。

仕事がしたい!周りに協力してもらいながら、将来を検討中

「私が働く業界は男性も多いですが、上司や同僚には病気について全て話しました。仕事柄、重い荷物を持つことが多いのですが、全て持ってもらったり、出張の回数を減らしてもらったりとか、色々と配慮していただいています。

妊娠はまだ考えていないけれど、いつかは、とも思うので、旦那さんには今後のことを含めて相談しました。子供が出来ない可能性もあったらどうしよう、と…。一方、手術をすることで、ハイリスク妊婦になる可能性を避けられたのはよかったです。手術をしたことで体に負担がかかっているし、妊娠は早い方が良いと思う、と先生からアドバイスをもらいましたが、仕事に趣味と、やりたいことが沢山あるし、少し悩みますね。

とりあえず今は、体を温めることを意識したり、何か異変があったときにすぐに気づけるように婦人体温計を使って、基礎体温を毎日測っています。排卵していることを確認できるだけでも大きいな、と思います。

肌荒れに悩んだら、婦人科へ。定期検診も周りに勧めています

「医学的な論文を読むと、卵巣嚢腫を患っている人は肌荒れやPMSが起こりやすいらしいです。たしかに、私もフェイスラインの肌荒れがかなり気になっていました。だから、肌荒れやニキビが治りにくかったら婦人科を受診するのもいいと思います。
肌荒れに悩むと、美容皮膚科や美容医療に行く方が多いけれど、もしかしたら病気が関係しているかもしれない。まずはどうして肌が荒れているのかをきちんと見極める必要があると思います。体のちょっとした異変にも気づけるように、私は卵巣嚢腫を患っている期間は、美容医療を控えていました。

これまで、婦人科の検診に全く行っていなかったんです。病気になって以降は、毎年子宮頸がん検診を受診しています。周りの友人にも"絶対に行った方がいいよ"って勧めています。卵巣は、沈黙の臓器と言われていますしね。病院は日中しか開いていないし、仕事が忙しくなるとついつい自分のことは後回しにしがちですが、働く女性が多い時代だからこそ、定期検診がすごく重要だなって思います。」