「相手から歩み寄られた時」の男女の対応の違い

真面目な男女が恋に落ちると、それは不倫とはいえ、まるで高校生のカップルのように思えます。

身体の関係を真面目さゆえに抑えているからこそ、ピュアな心の繋がりに拍車がかかっている印象。にしても、みちの輝く瞳や表情からは、これまでになかった色気すら漂っているような。

第5話では、2人が盛り上がったところで、なんと誠の妻・楓（田中みな美）が2人の会社に突然やってきて鉢合わせ。みちは酷く動揺してしまいます。

その際、会社の後輩の華ちゃん（武田玲奈）が助け舟を出し、「真面目な2人がそうなっちゃうなんて」「イバラの道を進む覚悟が必要ですよ」と、呆れたように説教していた様子に一番共感しました。

興味深かったのは、お互いのパートナーから歩み寄られたときの対応。

真面目な2人は、さほど器用に振舞うこともできないので、家庭内に不穏な空気を持ち込み、それはお互いのパートナーが「そろそろヤバそう」と勘づくほど。

みちの夫・陽一（永山瑛太）はようやくみちに向き合い、セックスレスについて努力すると伝え謝罪。これまで夫のためにたった数分割くこともできなかった誠の妻・楓も、定時に帰宅して手料理を作り、拗ねた夫の下手に出るようになります。

しかし、みちが夫の行動に心を動かされている一方で、誠の妻への反応は冷たいものでした。妻の手料理に一切口をつけようとしないのは、もはやこれまでの復讐...？　と感じるほど。男性は一度プライドを傷つけられると、いくら良い人でもこんな風に豹変してしまうんですね。真面目だからこそ、相手に情状酌量の余地も与えられないのかもしれません。

それどころか、誠のみちへの思いは増すばかり。張り切ってプラネタリウムのデートに誘い出しますが、ラストでは「ごめんなさい、もう会えません」と振られてしまいます。同じように惹かれあっていても、比較的冷静に気持ちを抑え込もうとするみちと、完全に妻との態度に格差が出てしまう誠。

「男性の本音は行動に出る」とよく言いますが、まさにその通り。男性は自分の気持ちを隠せない、素直な生き物なのでしょう。

来週、第6話が放送！陽一がみちにまさかの告白を…

第6話の予告では、みちにすがる誠、ついに誠を誘惑し始める楓、そして...泣きながら自身の浮気を告白する陽一の様子が…？ますます波乱が続きそうな展開、来週が楽しみです！

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山本理沙（やまもと・りさ）　Instagram：＠lisa__fluffy　
作家・コラムニスト。東京カレンダーWEBにて小説・エッセイを多数執筆。「不機嫌な婚活」(講談社）や2022年ドラマ化された「恋と友情のあいだで」（集英社）など、東京で生きる女性のリアルな恋模様や心情を描いた作品が話題に。

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