木曜ドラマ『あなたがしてくれなくても』を考察!

夫婦のセックスレスという禁断のテーマに切り込んだドラマ『あなたがしてくれなくても』。そのリアルな夫婦模様が多くの共感や物議を呼び、話題となっています。セックスレスは夫婦が抱える最も解決困難な問題とも言われていますが、登場人物たちがどのような結末にたどり着くのか…目が離せません!

この記事では、作家・ライターとして多くの夫婦・カップルを取材してきた山本理沙が、独自の目線でドラマについて語ります。

(こちらもチェック)【ドラマ・あなたがしてくれなくても第5話】これが男女の違い?誠(岩田剛典)が楓(田中みな実)の”誠意”に対して取った行動の意味が怖すぎる…

どんなにピュアでも、人間界のルールで【不倫はNG】

物語も佳境。第8話は冒頭から「妻VS浮気相手」という修羅場シーンから始まりました。

お互い既婚者でありながら、まるで学生のようにピュアに気持ちを通わせてきた吉野みち(奈緒)新名誠(岩田剛典)。しかしどんなに純真な気持ちであっても、人間界のルール上、やはり既婚者がパートナー以外の異性に恋愛感情を持つことはNGなのです。

この修羅場で印象的だったのは、新名の妻である楓(田中みな実)がみちの勤務中を突然襲撃したことはもちろんですが、みちの夫の浮気相手の三島結衣花(さとうほなみ)が過去の不倫相手の妻に詰められるシーンもなかなかでした。

ちなみに結衣花は、不倫はしたものの一方的に振られ、3年間その男には会ってもいませんでした。最近『会いたい』というLINEが男から届きましたが、「“やりたい”の間違いだろ」と吐き捨てるような状況で、未練も残っていません。相手が単なる最低男なので、「目が醒めている」という感じです。

にも関わらず、その妻は夫の浮気が発覚してからの3年間、「心から笑ったことも、怒ったことも、夫に触れたことも一度もない」「私の心は3年前に死にました」と、すっかり怯えて平謝りをする結衣花にお構いなしに憎しみをぶつけます。

極めつけに「私を殺した女の顔、ひと目見れてよかったです」と、トドメの一言で立ち去る場面は迫力満点…。結衣花は抵抗する術もなく完敗。慰謝料の500万円を払うことになります。

たとえ本人同士が決着をつけて立ち直ったとしても、知らぬ間に二次被害が増幅し、結局ツケが回ってくる…というのは、基本的な不倫の構造なのだと実感しました。不倫はどうしても負の感情が発生しやすく、そしてそれは消えにくいものなのでしょう。