「衣装を着て現場に入った瞬間、スイッチが切り替わって自然と摎(きょう)になれました」

新木優子・ar7.8月合併号「YUKO IN LOVE STORY」より

―ファン待望のシリーズ4作目となる本作。オファーを受けた時のお気持ちは?

第1作目のキングダムを劇場で観た時、そのスケールの大きさや今まで見たことのないようなアクションの数々に圧倒されました。スタッフやキャストの作品にかける気迫や覚悟みたいなものが画面から伝わってきて、久しぶりに“感動しながら映画館を出た”作品だったので、オファーをいただいた時は本当に嬉しかったです。

今回シリーズ4作目で、新しいキャラクターとして作品に飛び込む緊張感やプレッシャーはありましたが、純粋に「キングダムに参加できるんだ!」という喜びの方が大きかったです。(新木さん、以下同)

―新木さんが演じた六大将軍・摎(きょう)はとても謎めいた役どころ。役づくりはどのようにされましたか?

摎の衣装を着て、撮影現場に入った瞬間に自然とスイッチが切り替わる感じでした。摎は秦国六大将軍で唯一の女性ということで、ただ強いだけではない“何か”を持ち合わせているのだろうなと想像はしていたのですが、演じている中で彼女の強さの根源には王騎や昭王という周りとの繋がりがあるということを実感し、私の中で摎のキャラクターがリアルになっていきました。

このような直感的な演じ方ができたのは、壮大なロケーションの力も大きかったと思います。「日本にこんな場所があったんだ!」と驚くようなロケ地が用意され、スタッフさんも“キャストをキングダムの世界に没入させてくれる雰囲気づくり”をしてくださいました。

―乗馬や殺陣のシーンが要の本作。苦労はありましたか?

乗馬と殺陣は練習をしっかりして撮影に挑みました。乗馬と殺陣に関しては、現場の皆さんが努力されて既につくり上げていらっしゃるものがあるので、そのレベルまで到達できるように、しっかりやりたいという一心でした。乗馬の経験はあったので、馬に乗ること自体はそんなに苦労しなかったのですが、今回はトップスピードで走り抜けたり、乗馬で殺陣をしたりがあったので、今でとはまた全然違ったお稽古で、すごく楽しかったです。

苦戦したのは“馬に走ってもらう”こと。すごく不思議なのですが、馬は乗る側の気合というか…覇気がないと全然やる気を出してくれないんです。自分自身が「走るぞ、行くぞ!」という気持ちを高めて、スイッチをグッと入れ、それを馬に伝えるという作業にとても苦労しました。

「大沢さんの存在が、私を摎にしてくださったのだなと思います」

新木優子・ar7.8月合併号「YUKO IN LOVE STORY」より

―それでは、王騎役の大沢たかおさんとの共演はいかがでしたか?

大沢さんは身体づくりから徹底して役に挑んでいらっしゃって、最初にお会いした時は、その迫力にびっくりしました。ただそれ以上に、寛大な空気感というか、すべてを受け止めてくださるようなオーラに安心感も感じました。大沢さんの、気さくで優しい人柄のおかげで、私も摎として穏やかな気持ちで王騎のそばにいられました。本当に大沢さんの存在が、私を摎にしてくださったのだなと思います。

―そんな摎を演じる中で、印象的だったシーンはありますか?

昭王と対峙するシーンはかなり心を動かされました。草刈(正雄)さん演じる昭王の眼差しは今でも忘れられません。あとはやはり、出陣前の王騎とふたりきりのシーンでしょうか…。摎は強い女性ですが、王騎の前ではピュアな部分が出るんです。そこも「こう役づくりしよう」と思っていたのではなく、大沢さん演じる王騎の前に立つと自然とそうなってしまって…。監督のスタートの声からカットがかかるまで、すごく不思議な感覚でした。

「強くなるために一番大事なものは自分の中にある。この作品を観て、皆さんがそう感じてくださったら嬉しいです」

新木優子・ar7.8月合併号「YUKO IN LOVE STORY」より

―最後に、映画を楽しみにしている読者にメッセージをお願いします!

私自身、今まで“絶対に負けない”王騎は強すぎて人間じゃないんじゃないかと思っていたんです。でも、本作を通して、やはり王騎も人間で、強くなった理由があるということに気づけました。 強くなるために一番大事なものは自分の中にあるし、誰もが強くなれる。皆さんもそう感じてくださったら良いなと思います。見どころ満載でアクションシーンも圧巻です。スクリーンで感じる迫力も含めて、楽しんでいただけたら嬉しいです。

新木優子・ar7.8月合併号「YUKO IN LOVE STORY」より
Photo:Sampei Yasutomo
Styling:Ishida Aya
Hair Makeup:Kawashima Nozomi(io)
Composition:Shiota Miwako
Text:Yanagihara Masaki

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