女性の快感を邪魔するブレーキとは

「さっきまで気持ちよかったのに、途中で興奮がさめてしまった」そんな声を多くの女性たちから聞きます。

彼に不満があるわけでもなく、性欲がないわけでもない。なのに、脱衣場から洗濯機の音が鳴ったとき、相手の体臭が急に気になったとき、自分のお腹のお肉がどう見えているか気になったとき……突然フッと集中力が途切れてしまうことがありませんか。

今回は女性の快感を邪魔するブレーキについてご紹介します。

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性生活は「アクセル」と「ブレーキ」でコントロールされる

実はこれ、女性によくある現象なんです。そのカギになるのが「二重支配モデル(DualControl Model)」という考え方。性反応が「アクセル」と「ブレーキ」の2つのシステムによってコントロールされるという理論です。

アクセル:快感や興奮を高める「性的興奮システム(SE)」
ブレーキ:不安やリスクに反応して興奮を抑える「性的抑制システム(SI)」

視覚・聴覚・嗅覚・触覚・味覚・頭に浮かんだことなど、周りの環境から性に関する刺激の情報を受け取ると、脳は性器へ「スイッチON」「スイッチOFF」と信号を送ります。スイッチONにするのがアクセル、スイッチOFFにするのがブレーキです。

何がアクセルやブレーキになるのかは個人差がありますが、彼の優しいハグやキスの心地よさでエッチな気分が高まるのはアクセルの働き、不快な音や匂い、自分がどう見えているか気になって気分がさめてしまうのはブレーキの働きだと考えると理解しやすいですよね。

困ったことに、多くの女性はアクセルよりもブレーキの方が感度が高いと言われています。どんなに彼への愛情が深くても、どんなにセクシーにささやかれても、ほんの少しのブレーキが邪魔をしてしまうんです。

明日の朝イチの会議のために開かれたパソコン、避妊や性感染症への不安、体のコンプレックス、今朝出し忘れた生ごみの匂い、ムダ毛の剃り残し、空腹感など。

こういったものにブレーキをかけられた記憶がある人も多いのではないでしょうか。

ブレーキに快感を邪魔させないためには

①分析する

快感や興奮を抑えるブレーキに邪魔されたくないなら、まずは自分のブレーキになるものを知ることが先決です。気付いたことをスマホのメモアプリなどに記しておくのがおすすめです。そうすることで、ブレーキになりがちなものを分析することができます。

②環境を変える

匂いが気になるなら好きなディフューザーを寝室に置く、彼の部屋の寝具をまめに洗ってもらう、先にやるべきことを済ませてからベッドに入るなど、セックスする環境からブレーキになるものを取り除きましょう。

変えられない場合は、寝室ではなくリビングでする、ホテルを利用するなど場所を変えるのもおすすめ。

ブレーキが働きやすい場合、すべてを取り除くことは難しいかもしれませんが、反対にアクセルになるものを探してみるのもいいですね。

彼と一緒にアクセルとブレーキを探していくと意外な発見があって楽しいですよ。ぜひ試してみてください。

参考文献:
・Janssen, E., & Bancroft, J. (2002).
"The Dual Control Model of male sexual response: A theoretical approach to centrally mediated erectile dysfunction."
Neuroscience and Biobehavioral Reviews, 26(6), 843–857.
・私たちのセクシュアル・ウェルネス 女性の体・性・快楽のメカニズム」(エミリー・ナゴスキ―著)