珍行動には理由がありました。

私の宴会珍行動に、みなさん「?」がいっぱい浮かんだことと思います。

飲み会の間ずっと考えていたのは、

 

女子力ってなんだ?ということ。

 

「サラダをとりわけて女子力が高いと言われるのが嫌だ。」
わたしは、なんでこう思ったんだろう。


 

親戚の飲み会で、

料理も片付けも女性がやっているのをみて
「昔ながらの光景だなあ」と思って見ていたら、


飲み会に行っても可愛い子が取り分けると周りの人間が納得の笑顔で
「家庭的!」なんて言ってたりする。


今日もグルメ番組で、女性タレントが大御所芸人に食事を取り分けている。

 

誰かが強制してるわけじゃない。
それなのに「女子力」と声高に叫んで“家庭的”じゃない自分を自虐する。


 

いくつかの葉野菜を均等に配分し、
その全ての皿にドレッシングがかかっており、


最後にカリカリを残さないという
ほとんど超能力者のような芸当。(私は苦手だ。)

それって、女子だけに与えられるべき能力なのか?
飲み会を眺めて、わかったことはひとつ。


取り分け技術は、気遣いができる人は男女問わず持っているということ。

 

気遣いや思いやりに性別なんかない。

 

だから、取り分け力は、女子力じゃない。

人間力なのだ!!!!!

 

文字に起こせば当たり前なのに、

親切心で行われているはずの行動が、
女としてのスキルのものさしになっていることに、気付いてしまったんです。

 

「女子力」という言葉の圧力で、
飲み会の役割を決めつけている空気、感じたことありませんか?

もっというと、「女子は料理ができるべき」に流されて、
無理したことありませんか?

 

親戚の集まりで、家族の集まりで、会社の集まりで。
「女だからやらなきゃ」の理由でする取り分けは、

それに対する「女子力〜!」の賛辞は、


「女が食事を準備すべき」という役割意識が根底に流れているのを無意識に肯定していることになってしまうということに、

本人は気付いていない。そう、無自覚だから。

無自覚は、無意識は、協力しているのと同じこと。

 

だから、私はあえてしたんです。

流れに逆らってみること。

 

それは、

社会の無言の圧力を、

可視化させるチャレンジ。

 

その圧力に対して、
サラダを取り分けるのを拒否するだけの、
私の小さな抵抗。

 

自分の分だけ取り分ける、それだけのこと。
目の前に上司がいても、

好きな人がいても、

グッとこらえる瞬間。


きっと、逆らうことで経験できることに、
何かが詰まっている気がするから。


第1回のチャレンジ、反省点。

今回の私のチャレンジのミスは、
たった1人、誰にも言わず挑んでしまったところ。

サラダを見た瞬間
「固定的性別役割分担意識って早口言葉みたいですね!」
なんて話し始めるほどぶっとぶわけにもいかなかったので、
ただ黙って自分の株が下がっていくのを見つめているだけの飲み会に終止してしまったのでした。


第1回サラダ取り分け禁止委員会は、
誰にも意図を言わなかったことによって


飲み会で気遣いのできない人間が1人いた(私)
という残念な結果に終わってしまいました。

そう、行動するだけじゃ誰にも意図がわからないから。

 

そこでわたしは、ステッカー(画像)をつくりました。

「女だから」を押し付けられそうなら、
NOというために。

料理を今すぐ食べたい人や、ダイエット中の人、好き嫌いがある人、みんなのために。

飲み会に行くとグラスの空きを確認し、空いた皿をまとめて端に置き、食べる暇がない“客のふりした店員”が特技になっちゃう人のために。

純粋に取り分けなんか気にせず、
その人と会話を楽しみたい人のために。

 

このステッカーを飲み会の前にシェアすることによって、

古い役割といらない空気の読み合いから解放された飲み会が実現できたら、最高じゃないですか?

 

ちょっと脱線すると、

私はとあるお仕事の打ち上げで、
なるべく多くの人に挨拶しようとグラス片手に席をまわった際「タダキャバだ、ラッキー」と言われたことがありました。

思わず天を仰ぐと、
失望と怒りが混じった《?》(2m超え)が頭上に浮かんでいました。


お酒の場でのテーブルサービスが有料化されている国だからこそ、気をつけなければいけないことがある。

私がこの委員会をはじめたのは、
そんな経験からも来ています。


 

私だけじゃなくとも、
「親戚の飲み会の伝統、いつまで続くのかな?」


「結婚したら、料理って私がやるの?」

「女性が目上の男性にお酌をしてるのって見ててあんまり気持ちがいいものじゃないな、私もやらなきゃなのかな?」

「「でも、そんなこと突然言えないし。」」

そんな《?》が頭上に浮かんでいる人の、
あとちょっとの背中を押すために。


 

それが、

サラダ取り分け禁止委員会。

あなたの楽しい飲み会のための、小さな小さな味方です。

わたしもそれやりたい!
と賛同していただけた方は、ぜひ、

周りに話してみて欲しいなと思います。


話すときに勇気がいるよ〜、という方のために、
壁紙用の画像、作っちゃいました!!(笑)


(iPhoneの場合、時計とうまく絡むようにできてるよ!)

もしくは飲み会前にグループに送信!

(印刷して胸に貼ってもいいね)

 

さあ、忘年会、帰省シーズンです。

女子力という言葉に負けるな女子よ。

もちろん、男子のみなさんも。

それでは、よいお年を!

 

文・イラスト:はましゃか(@shakachang