「すごく思い入れはあるんですよ。だからこそ聴いて欲しいわけで。もちろんそうなんだけど、でもお互いにとって次のものがあるなら、次も大事じゃないですか。だからやっぱ…」
ーやっぱ?
「宣伝って難しいなって…」
ーそこですか(笑)。
「もちろん自分でいい作品だと思ってるから宣伝するんだけど、次のものも作りたいし、難しいですよね」
ー宣伝といえば前から疑問なんですが、作った人自身が作品について語るよりも、外野の人、たとえば熱狂的なファンの人のほうが、その作品について語れることってありますよね。そういう現象って作ってる側の人から見るとどうですか?
「音楽に限らず、だいたいのことがそうですよね。映画とかも、映画マニアが監督にインタビューしたりして”あの場面が…”とか色々言っても、だいたい監督は覚えてないですからね」
ーありそうですね。
「俺なんて自分の作品についてまぁまぁ覚えてる方に入ると思う。自分ファンな方だと思いますよ。全然覚えてねーじゃん!っていう人もいますからね。だってウルトラマンの俳優さんとか監督とか、結構インタビューしたりお話ししたことがあるんだけど、えー!?ってくらい何も覚えてらっしゃらないことありましたよ(笑)」
ー(笑)。受け取る側としてはちょっと寂しいような…。
「でも、いいんですよ。その人にとってはたくさんの作品のうちのひとつ。僕にとっては人生で一番の作品、でも」
ー深い。今週の名言ですね。
「作り手っていうのは多少残酷なもんなんですよ。自分の作品に囚われすぎちゃいけないと思うんで。だからミュージシャンが自分の曲をよく覚えてなかったとしても、悪く思わないでほしいね。もちろん最高だと思うからお客さんに買って欲しいんだけど、残酷な面もあるね」
ーなるほど…。納得です。
「ま、自分が天才だと思うことはいっぱいありますよ」
ー(笑)。一番最近、天才だと思ったことはなんですか?
「最近? すごいどうでもいいLINEでめちゃくちゃ面白いこと言った時とか。でも3人くらいしか見てないから、天才だと思いつつもめちゃくちゃ無駄なとこで発揮してるってことも含めて天才的だと思いますね」
ーち、小さい(笑)。じゃあ割と、自分のことを天才と思うほうですか?
「まぁ、そうですね。天才だなと思ったり思わなかったりの一喜一憂が大きいですけど、”喜”の部分が大きくないと、こういう仕事ってやっていけないからね。うわ〜今週もarの連載面白くね〜!って思いながらやってたら続けれらないじゃないですか。面白いと思うから続けられるわけで」
ー(笑)。引き続き面白い話をお願いしますね!!
・天才だと思うことはあるし、だからお客さんに聴いて欲しいと思う。
・作り手にとってはたくさんある作品のひとつ。受け手にとっては人生で一番の作品。でもいい。
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タカハシヒョウリ
(c)勝永裕介
【ミュージシャン】
ロックバンド”オワリカラ”と特撮バンド”科楽特奏隊”のギター/ヴォーカル、ソロの音楽活動など。
【イラストレーター】
グロカワキャラ”小腸はみ出し夫”の生みの親など。
【執筆家】
いくつかのWEBサイトで連載など。
【ハイブリッドおタク】
バンドのフロントマンの固定概念を覆すガッチガチな情報量と批評眼/語り口、そしてポンコツさ。
愛するのははゴジラ/ウルトラマンを始めとする<特撮>全般、映画、アニメ、マンガ、お笑い、ゲーム、蕎麦など。
特技は<才能の無駄遣い>
座右の銘は<世界の創作物に愛を>