―では具体的にどうアクションしていったらいいでしょう?
「よくぞ聞いてくれました。これはもう、直接的な行動以外の何かで印象付けるしかないね」
―何か…あ! 以前にレストランの店員さんを好きになったというお悩みに、「水をこぼしましょう」ってアドバイスしていただきましたが…
「そう、そういうやつ! 今回の相手は入院患者さんか。たとえば注射をちょっとヘタに打つのはどうですか」
―ダメでしょ!!(笑)
「この看護師さんの注射すっごい痛いんだけど!?みたいな。すごいドMな患者さんだったらキュンとするかも。もう来なくなるかもしれないけど(笑)」
―(笑)。でもたしかに、せっかく1対1で接する機会ですからね。
「あ! わかった。この人に使う医療器具だけほんのりピンク色にするっていうのがいいと思うな」
―ハハハ!!
「尿瓶とかもこの人のだけうっすらピンク色みたいな。点滴とかもよく見るとほんのり桜色になっててラメ浮いてるみたいなの、どうかな?」
―点滴はどうかと思いますけど、この人だけピンクの器具を使うってのはいいですね(笑)。医療的に何の影響もないところでこっそり頑張る作戦。
「そうそう。たとえば病院食この人だけ増やすとかは絶対ダメだと思うけど、こういう実のないヒイキならギリOKだよね。他の患者さんと世話する頻度や掛ける労力は一緒だけど、そこにほんのりピンク色が加わってるみたいな、それくらいの奥ゆかしさがいいと思うな」
―いいですねぇ。
「そうやって印象付けに成功したらですね、この患者さんだってずっと入院してるわけじゃないでしょうから、最後にダメ元で正統派にアタックする手もあるね」
―あぁ、短期間ならいっそ。
「かなりの確率でドン引きされると思うけど、もう会わないわけだし。それに、これから先何か月入院してるかの目安がわかるなら、逆算してプランが立てられますよね。病状から導き出す恋愛計画ってすごくない?普通の恋愛より会える時間をある程度想像できるから、計画的に頑張ってほしいですね」
―そうですね。