2人に1人は生理前に“感情が不安定になる”

生理前に気持ちが不安定になってしまうのは、PMS(月経前症候群)によるもの。いつもよりイライラしやすくなったり、気分が落ち込んで涙もろくなったりすることも。そんな感情のゆらぎに悩まされているのは、あなただけではありません。実は、厚生労働省の調査では、2人に1人が「生理前に感情が不安定になる」と回答しています。

また、メンタルの不調が激しく、生活に支障をきたしてしまう場合、PMDD(月経前不快気分障害)の可能性もあります。感情のコントロールができない、人に対して攻撃的に振る舞ってしまう、パニックになってしまうなど、その症状はさまざまです。

参考:厚生労働省(PDF)

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生理前や生理中のイライラ、情緒不安定の原因

生理前や生理中はなぜ不安定になってしまうのか?ここでは、よく取り上げられる2つの原因をお伝えします。

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女性ホルモンの影響

1つ目の原因は、排卵後から分泌が増えるプロゲステロン(黄体ホルモン)。胸の張りやむくみといった体への影響だけでなく、イライラや憂鬱な気持ちを引き起こし、メンタルにも影響を与えます。

脳内物質“セロトニン”の影響

2つ目の原因が、セロトニンの減少。セロトニンとは、気分を落ち着かせたり、不安を取り除く働きがある脳内物質のことです。
生理前は、ホルモンの変化により、このセロトニンが減少するといわれています。そのため、感情のコントロールがうまくできなくなったり、イライラや不安が募るようになってしまうのです。

参考:SMART LIFE PROJECT女性ホルモンとうまく付き合っていくには?

生理前や生理中の情緒不安定への対策

このように、生理前に不安定になるのは仕方のないこと!自分を責めずに「生理のせい」「ホルモンのせい」と割り切ることも大切です。理由がわかったところで、生理中のイライラにおすすめの解消法を5つご紹介します。

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適度な運動でリラックス

適度な運動は、体をあたため代謝をあげてくれるだけではなく、心の緊張をほぐす効果もあります。特に、ジョギングや水泳のような有酸素運動がおすすめです。有酸素運動を行って、PMSの症状が心身ともに改善した例もあります。

運動をする気分になれないときは、まずは近所へ散歩に出てみることからはじめてみましょう。好きな音楽を聴きながら、いつもは通らない道を選んでみるのも良いかもしれません。外の空気や景色に触れて、気持ちが晴れやかになりますよ。

参考:https://www.otsuka.co.jp/pms-lab/self-care/aerobics.html

栄養バランスの良い食生活

忙しさを理由に食事を抜いたり、ファストフードに頼ってばかりいませんか?野菜を取る量が少なかったり、間食が多かったり。食事の栄養が偏っていると、ホルモンバランスが乱れ、PMSを悪化させてしまいます。

特に、糖質や脂質は摂りすぎには気をつけましょう。反対に、気持ちを安定させてくれる栄養は意識して摂れると良いですね。ビタミンB6が豊富なすいか、カルシウムを継続して摂りやすいヨーグルト、マグネシウムを含むナッツ類が手に入れやすくおすすめです。

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睡眠をしっかりとる

人は、眠ることで自律神経のバランスを整えています。また、睡眠にはイライラや憂鬱さを軽減させる働きもあります。睡眠の質をあげることが、気持ちの安定につながります。

特に、睡眠に関わる副交感神経が優位になる夕方から夜にかけては、リラックスして過ごせると良いでしょう。この時間帯に仕事の緊張が残っていたり、考えごとをしていると、活動しているときに働く交換神経との切り替えがうまくできません。その結果、スムーズに眠ることができなくなってしまいます。

寝る時間が近づいてきたら携帯電話の電源をオフにして、趣味や自分が好きなことをしてのんびり過ごしましょう。1日のおわりにジャーナリングを行うのもおすすめです。頭に浮かんだことを書き出して、その日を振り返りながら心を整理してみてください。

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無理をせず、周囲に協力を仰ぐ

生理期間中は、心身ともに無理をすることがないよう周囲に頼ることも大切です。例えば、パートナーや家族に生理期間の自分の状態や、どんな風に接してもらえるとうれしいか伝えたことはあるでしょうか? すべてに配慮してもらうことはむずかしいかもしれませんが、まずは理解してもらえるよう話し合いの場を設けてみてはいかがでしょうか。

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症状がひどい、生理が始まっても症状が緩和されない場合

あまりに症状がひどかったり、生理がはじまってもずっとイライラや不安感が解消されない場合、別の原因がある可能性もあります。無理にがまんせず、婦人科を受診するようにしましょう。生理周期とあわせて、ご自身の状態を記録しておくと診察のときに役立ちます。

まとめ

どうしてもブルーになってしまう生理期間。そんなときだからこそ、めいっぱい自分を甘やかすことを目標に。生活の中で、ご機嫌を取るチャンスがないか探してみてください。セルフラブの精神で、毎月訪れる生理をハッピーなものに変えていきましょう。

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