好きになればなるほど、嫌な女になる…奈々の葛藤が苦しい
個人的には第6話が今まででいちばん苦しかったです。想のことが好きすぎるあまり、嫌な女になってしまう奈々の葛藤。本当は、「昔の恋人と昔の親友、想くんと再会したせいで別れちゃったんだ」なんて嫌味が言いたいわけじゃない。そんなことを言えば、想の気持ちが離れてしまうことも分かっているのに。それでも…というもどかしさが伝わってきて、胸が締め付けられました。
もちろん奈々は、想の気持ちがほかの女の子に向いていることもしんどかったと思います。でもそれ以上に、想の“好きな人”が、紬(川口春奈)だったことに、追い詰められたんじゃないかな…。だって、紬は、奈々が欲しかったものをすべて持っている。耳が聴こえなくなる前の想との思い出。彼の声を知っていて、電話をしたことだってある。手を繋いで、デートをしたことも。
それでも、自分と想には“手話”があった。想が、「奈々にだけ伝わればいいから」と言いながら、頑張って覚えてくれた手話が。それなのに、今ではその手話は、想と紬をつなぐ糸になっている。「プレゼント、使いまわされた気持ち。好きな人にあげたプレゼント、包み直して他人に渡された感じ」と思ってしまうのも、分かります。