冬に生理痛がひどくなるのはなんで?

体調不良の時、女性がまずかかるのは内科ではなく、婦人科が多いそう。
ストレスや環境の変化で生理の様子がおかしいと感じて受診するのだとか。

海老根医師
「おそらく寒さで血管が収縮することで痛みを感じやすい状態になっていると考えられます。
寒くなると交感神経が優位になって、血管が収縮して子宮もギュッと縮こまるイメージ。
全体的に温めれば血管が緩んで副交感神経が優位に。実際に来院する女性でも、お腹や腰まわりを温めると痛くなくなるという人は多いです。お腹を温めると楽になったり、痛くなくなる気がしたりするのは血管が弛緩することによる効果でしょう」

「腰やお腹の冷えはもちろん良くないけれど、末端冷え性の人も要注意。足底には血流を動かすポンプがあって、足先が冷えていると冷たい血液が血管を通ってそのまま子宮の真裏を通って心臓に入ります。
PMS(月経前症候群)で来院する女性は痩せ型で身体の巡りが悪く、冷えている方が多い印象

冬は生理不順になる人が多い?

海老根医師
冬=生理不順になるというわけでない気がしています。年末にかけて忙しくなって、ストレスによる自律神経の乱れで生理不順になっている印象。冬以外にも、春先の人事異動やクラス替えなど、環境が変わることでストレスがかかる時期に乱れやすい傾向が」

「また、生理不順の人の中でも右と左の排卵周期が違う人が生理不順と思っている可能性が高いです。左右交互に排卵するので、左右の卵巣に生理周期やコンディションの差があると、周期が乱れているように感じたり、痛みや月経血の量に差が出て生理が重い月があったり、軽い月があったりする人も。一般的な傾向でいうと、生理が遅れて周期が長くなるほど、子宮内膜に血液が多く溜まるから月経血も多いように感じます」

やっぱり冷えは女の大敵! 生理痛には“温め”と“休息”

寒さで血管が収縮している状態なので、温めて血管を緩めてあげるのが効果的。

海老根医師
「医学的に温めると子宮の血流が上がるとか、痛み成分の分泌が下がるとか、データが出ているわけではないですが、痛みを感じるならやはり温めることをおすすめしています。」

また、体を温めないと免疫力は上がりません。生理の出血により疲れて体力が下がってる時は免疫力も下がっています。無理をして動くと、風邪やコロナにかかるリスクも高くなります。寒かったら暖かくして、眠たかったら眠り、体力を回復すること。生物として当たり前のことをしてあげてほしいです」