前髪変えてモテたい。
前髪をぱっつんに切ろうか伸ばそうか迷っています。どっちが男ウケがいいですか? (愛生さん・22歳)
ー(arで例を見ながら)こういう風にぱっつんには独特の可愛らしさがありますよね。他にはこういう、中村アンさん風のかき上げ前髪とかも人気ですが。
「なるほど。どっちでもいいね」
ー興味なさそうですね〜(笑)。
「いや、その相手がどういう男かにもよるからね。たとえばサブカルっぽい男性にウケたいなら、やっぱりぱっつんのほうがいいとかあるんじゃないですか?」
ーほう。それって昔からよく聞きますけど、なぜなんでしょう?
「いわゆるサブカルって、要するに個性を前に出したがるわけですよね。そうすると、典型的な女っぽさ、長い髪をかき上げるイケてる女、みたいなマジョリティの型に自分をハメたくないんじゃないですか。で、前髪ぱっつんという第二勢力が生まれてくると。」
ー個性的ってことか。
「その第二勢力な感じ=サブカルとされてるんじゃないかな。逆に、前髪をしっかりスタイリングしててラグジュアリーな感じの人っていうのは、単純にサブカルな場所にいなそうだよね。そういうイケイケな感じの人は麻布とかではモテるだろうけど下北沢にはいない、場所ごとのTPOみたいなのがあると思う。だからこの問題は愛生さんがどういう人にモテたいのかによるよね」
ーなるほど。ということは、しっかりスタイリングされたリュクスな前髪してる子を見ても、サブカル系の男性のアンテナには引っ掛からないと。
「そうそう。そういう要素で住む世界が違うって思う人が多いと思うよ」
ーたとえば美人なかき上げ系女子が目の前に現れても、下北沢の男性は「俺らに好意的なタイプの女子じゃないだろうな」って思うんですか?
「そう。クラスのカーストで上のほうだった人だなって思うんじゃない? この人はエグザイルっぽい人が好きだろう、みたいな」
ーなるほど…。
「それもコンプレックスだと思うからね。カーストで言ったら下のほうにいる自分には、イケイケな感じの女性は合わないだろう、という。でも、そんな卑屈なところにハマる必要はないって思うけどな、僕は中村アンさんみたいな人好きですけど」
ー(笑)。好きだけど、中村アンさんは自分のような男は好きじゃないだろうな…と心のどこかでは思います?
「僕はきっとワンチャンあるって思うけど、多くの下北沢男子が気がひけるのはわかります。ただサブカル系って言われる男子の価値観には、サブカル男子にはこういう女子がイイ、みたいな固定観念が存在するんだと思う。だからマッシュルームカットでネルシャツ着てるみたいな典型的なバンドマンには、黒髪ぱっつんの女の子!っていう凝り固まった何かがあるんでしょ。固定観念って、本当つまんないなと思うけど…」
ー逆に言うと、前髪ぱっつんにして下北沢に行ったらある程度モテれるかもしれない?
「そういうことだと思うよ。だから合理的にやるなら、あなたがどういう男にモテたいかをよく考えることが必要だね。だって六本木とかのクラブには、黒髪ぱっつんでちびまる子ちゃんみたいな髪型の人はいないわけでしょ」
ーちびまる子ちゃんって(笑)。
「コシノジュンコ的な感じではいるかもしれないけど(笑)。そこはやっぱり適材適所だと思うな。でも本当にそんな凝り固まった感性でいいのかって思うけどね。もっと意外な人と意外な人が惹かれあって付き合ってるほうが面白いと思うけど」
ー面白いけどそう上手くはいかないですよねえ。自己ブランディングしていかないと…。
「でもさ、けっこう下北系のバンドマンとかで、あ〜こういう女の子と付き合ってそうだよなコノ人、と思った奴が本当にそういう女の子連れてたりした時は、ものすごいつまんないけどね。なんか、なぜか心のどこかでがっかりする。面白みはないよね」
ーなるほど。誰目線?(笑)。
・プレゼントはサラッとスマート、が吉◎
・どんな男にモテたいかを考えて前髪を切ろう。
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タカハシヒョウリ
(c)勝永裕介
【ミュージシャン】
ロックバンド”オワリカラ”と特撮バンド”科楽特奏隊”のギター/ヴォーカル、ソロの音楽活動など。
【イラストレーター】
グロカワキャラ”小腸はみ出し夫”の生みの親など。
【執筆家】
いくつかのWEBサイトで連載など。
【ハイブリッドおタク】
バンドのフロントマンの固定概念を覆すガッチガチな情報量と批評眼/語り口、そしてポンコツさ。
愛するのははゴジラ/ウルトラマンを始めとする<特撮>全般、映画、アニメ、マンガ、お笑い、ゲーム、蕎麦など。
特技は<才能の無駄遣い>
座右の銘は<世界の創作物に愛を>