肉割れは自力で治せるの?肉割れを消す施術は?治療法と予防法

―肉割れ、妊娠線は自力で治せるものですか?

残念ながら、肉割れ、妊娠線(皮膚線条)は真皮が断裂し、深い部分で酷くダメージを負っている状態なので、自力で治せるものではないのです。皮膚線条をなくそうと、既にできてしまった皮膚線条に美容液やクリームを塗る方もいらっしゃいますが、残念ながら治療効果は全くありません。そもそも皮膚線条は疾患(病気)ではないので、皮膚線条を治せる「医薬品」にあたるクリームも存在しないんです。妊娠線クリームについても、塗らないよりはいいけど…というのが正直なところ。

―では、肉割れ、妊娠線を予防するにはどうすればよいのでしょうか?

予防法としては、皮膚線条が起こるメカニズムからして体型管理しかありません。ただ、これは成長期でも妊娠中でもない普段の生活において、急に十数キロ太ったとすれば皮膚線条はできやすくなるという話であって、成長期や妊娠中は自分自身の意志や努力でどうにかできるものではありません。成長期は体重が増えなくても肉割れができてしまうことも往々にしてあります。特に妊娠中は、胎児、胎盤、羊水などが加わって必然的に体重は増加しますから、体重をあてにせず、必要な栄養素をしっかり摂取して、担当医の指示にしたがうことが大切です。最近は妊娠中に過度なダイエットをする妊婦さんが増え、胎児にも重大な悪影響が及ぶケースも多く問題になっています。万が一、妊娠線(皮膚線条)ができたとしてもそれはとても自然なことですし、始めは赤々しくてショックを受けるかもしれませんが、一年くらい経つと白っぽくなって目立たなくなります。

―既にできてしまった肉割れや妊娠線を消す術はないのでしょうか?

ダメージの程度がかなり強いので、効果的な治療は限られてきますし、皮膚線条を完全に消し去るということはなかなか難しいのが現状です。ですが、目立ちにくくさせる治療はあります。主な治療法は、レーザーやダーマペンなど。当院でも皮膚線条に効果的な治療法を3種類ご提供しております。

―レーザー治療はどのような方にオススメですか?

レーザーは当院では最も効果的な治療法といえますが、一方でダーマペンと比較して、ダウンタイムに赤みを帯びたり、かさぶたができたりしやすい面も。効果をより重視する方にオススメしたいですね。症例写真は、お尻の皮膚線条にレーザーを2回あてた状態で、通常は6~8回照射してやっと効果を得られるくらいですが、2回でも改善している様子が見て取れるかと思います。この患者さんは、高校生の頃に成長期で体が大きくなって、皮膚線条を生じた方でした。

(左)施術前(右)施術後。銀座ケイスキンクリニック提供。

―ダーマペン治療はどのような方にオススメですか?

ダーマペンは、効果ではレーザーに劣りますが、ダウンタイムは比較的短く済みます。どうしてもダウンタイムが気になる方や、人目に触れる部位などに治療を施したい方にはオススメです。ただ、治療効果も金額もさまざま。いずれにしても治療法は一人で吟味せずに、まずはクリニックや医師に相談していただきたいですね