ピルで性病は防げない
昨年「梅毒」の感染者数が過去最多になったことを機に、性病急増についてのニュースをよく耳にするようになりました。性病といえば一昔前は「エイズ」のイメージでしたが、最近では特に「クラミジア」「梅毒」といった感染症が増加し問題になっています。
増加の一因に
「マッチングアプリなどで手軽に異性と出会う機会が増えたこと」や
「女性がピルを飲んでいるためにコンドームを付けない人が増えたこと」などが考えられます。
声を大にして言いたいのですが、ピルで性病は防げません!!!
ピルの普及で救われた女性はたくさんいますが、改めてコンドームの必要性と性病の恐ろしさについてみなさんに知っていただきたいと考えています。
性病とは
性病とは、性交渉でうつるウイルスや細菌、原虫というアメーバのような生きものによる感染症のことです。
こうした病原菌は腟や子宮の入り口、陰茎などの環境を好んで生息していて性交渉の際に相手にうつります。
またオーラルセックスをすると喉にも感染しのどの痛みなどの風邪に似た症状を呈することもあります。のどに菌がいる場合、キスでも相手にうつることがあります。
女性の性病の種類と検査の方法
見た目がトサカのようなできものができる「尖圭コンジローマ」、痛みのある潰瘍ができる「性器ヘルペス」、おりものに異常が出る「クラミジア」、「淋菌」、「トリコモナス」、全身に症状の出る「梅毒」、「HIV(エイズの原因ウイルス)」があります。肝臓に炎症が起きる「B型肝炎」、「C型肝炎」も性交渉で感染します。
最近性病として知られるようになってきた「マイコプラズマ・ウレアプラズマ」は腟炎のほか尿道炎を起こすこともあります。
検査の方法は原因となる菌やウイルスによって異なり、見た目で診断する視診、おりものの検査、血液検査などで診断します。
いずれも検査自体は数分で終わります。
症状がすでに出ている場合は保険適用(数千円)となり、特に症状は出ていないけれども一通りチェックしたい場合などは自費(1万円前後)となります。
性病の予防法
まずは何より必ずコンドームを付けること!
その他にも
・行為前後にシャワーを浴びる
・ワクチン接種をする
・定期的に検査を受ける(パートナーが替わる際等)
・気になる症状があるときはセックスしない
等が性病予防に効果的です。
妊娠中のセックスは16週以降にはしてもいいですが、特に「クラミジア」と「梅毒」には要注意です。
妊娠中(特に妊娠20週ごろまで)に梅毒に感染すると流産や早産だけでなく生まれてきた赤ちゃんにも聴覚障害や視覚障害、知的障害などが起きてしまうことがあります。気づかずに治療をしないと約40%が母子感染をし、お薬を内服しても14%母子感染が起きると報告されています。そのため妊娠前に検査しておくことも大切です。
クラミジアは妊娠中よりも分娩時に腟から赤ちゃんへ感染し、肺炎や結膜炎(目の症状)を引き起こします。
また最近はマイコプラズマ、ウレアプラズマが早産の原因になるという報告もあります。
パートナーにもこの事実を共有することをおすすめします。
まとめ
自分は「性病なんて…」とつい思いがちですが、一度でも性交渉があれば性病にかかる可能性はあります。
また、クラミジアなどは知らないで放っておくとお腹の中で炎症が起き、不妊の原因になることもあります。
将来への影響を残さないためにも、セックスの際にはコンドームを必ず付け、
とは言え、コンドームで100%性病を予防できるわけではないので、パートナーが変わった時や定期的に検査を受けてみてはいかがでしょうか。