【漫画家・山科ティナ】「大好きな本、音楽やスイーツに励まされています」

次にお話を伺ったのは、ar webでも人気の漫画家/イラストレーター・山科ティナさん。

山科さんにも、しんどい時のリカバリー法について聞いてみました。

ー人と比べたり、落ち込んだ時はどのようなことを実践されていますか?

私は職業柄に関係なく、本がとても好きなので、作品の中の言葉から元気をもらうことが、今までに何度もありました。例えば、『生きる技法』と『3月のライオン』の2作品は、とても影響の大きな本だったと思います。

まず、この『生きる技法』… タイトルは壮大ですが、本当に染みる内容なので、みなさんにも手に取ってみてもらいたいです。

私は以前の職場で、編集担当だった方に悩み相談をしたら、その後日、その方から自宅にこの本が届いて…(仕事の資料と一緒に入っていたんです)。

この本には、自己嫌悪してしまう原因や対処法を、著者である東大教授自身が実践したエピソードに絡めて書いてあるので、とても読み進めやすく、スルスルと心の中に言葉が入ってきました。

この本自体もとてもおすすめですし、今考えると、その編集担当の方に悩みを打ち明けたのも良かったのだと思っています。他人からのアドバイスは大事ですね


山科さんの作業風景

『3月のライオン』に関しては、主人公である天才棋士の零くんの姿が自分の性格と重なるところがあり、励まされたのも大きいと思います。

零くんは何事にもストイックで、心にも孤独を抱えているんですが、周囲の人々の温かさに触れて救われていくんですよね。そんな展開も記憶に残っているポイントなのですが、好きなセリフもあって。

零くんが通う中学校の先生が、彼に向けて「一人じゃどうにもならなくなったら誰かに頼れ ―――でないと実は誰もお前にも頼れないんだ」というシーンがあるのですが、この言葉にかなりハッとさせられました。

あとは、零くんが放つ「でも、多分『逃げなかった』って記憶が欲しかったんだと思います」というセリフも印象的でした。頑張っている時の自分に染みるシーンだったと思います。

ー他にも、疲れた時などのリセット方法はありますか?

そうですね。本を読むこと以外でよく気分転換に取り入れているのは、大好きな音楽を聴くことです。さっきお話した言葉の力の話に繋がるのですが、音楽も歌詞が心に刺さることがよくあります。

思い出に残っている、元気をもらった曲は、BUMP OF CHICKENの『プレゼント』ですね。こちらのアーティストの中では、少しマイナーなラインナップなのですが、とても素敵な曲です。

私は小学4年生まで中国で暮らしていて、その頃、初めて日本へやって来たのですが、カルチャーショックなどもたくさんあり、しんどいことも頻繁にありました。

そんな悩み多き学生時代によく聴いていた曲だということもあり、大切に思っている曲です。

ー日々のモチベーションアップは、どうやって行なっていますか?

お仕事に関しては、作品が完成した時などの達成感など、色々とやる気に繋がっていることはあるのですが、簡単なことでいうと、ご褒美に大好きなスイーツを食べることですかね(笑)♡

一人で行ってゆっくりリフレッシュすることも、友人と行ってお喋りを楽しむこともあるのですが、私はすごくカフェで過ごすのが好きなんですよね。

それでよく、オフタイムには気になるカフェでくつろいで、美味しいスイーツを食べたりしています。

こちらは、この間行ってみた、渋谷の「IVY PLACE」や「イリヤプラスカフェ」のスイーツの写真です。とても美味しかったのでおすすめですよ。

こんな感じで、私は好きな作品やスイーツに癒されたり励まされたりしています。

【PROFILE▷山科 ティナ】
16歳の時に商業デビュー。後にSNS上にて“ 妄想胸キュン漫画”が話題となり、女性人気を集める。短編集5冊既刊。ar本誌にて連載中の漫画『ショジョ恋。−処女のしょう子さん−』1巻が好評発売中。