腟内洗浄で腟内に残った経血を洗い流す

出典:Canva


もうすぐ終わりそうなのに、だらだらと生理が続く場合、経血が排出されるのに時間がかかっていることが原因かもしれません。
腟内洗浄を利用すると、腟内に残った経血が洗い流してくれるので、生理の終わる頃の不快感を軽減できます。


腟内洗浄とは


生理期間は個人差があり、通常の場合約3〜7日間続きます。
卵巣内で厚くなった子宮内膜が剥がれ落ち、腟から経血として排出される現象が「生理」です。
腟内洗浄とは、「使い捨てビデ」とも呼ばれており、専用の洗浄器に含まれた洗浄液やジェルを用いて、腟内に残った経血を洗い流すこと。
タンポンのような形状の腟内洗浄器は、主にトイレや浴室で行います。
手を清潔に洗った後に、力を抜いた状態で洗浄液の入ったノズルを挿入して腟洗浄を行います。
終わった後は、シャワーで流すか、おりものシートを使うと安心でしょう。

出典:Canva

腟内洗浄のメリット

腟内洗浄のメリットは、シャワー・ウォシュレットでは洗い流せない腟内を清潔に保てることです。
生理の終わりかけに使えば、腟内に残った経血や老廃物を出し切るサポートをしてくれるため、ナプキンを使用する期間を短縮できる場合があります。
また、おりもので蒸れたにおいが気になった時や性交渉の前後に腟内洗浄をすることで、汚れが洗い流されてデリケートゾーンの清潔を維持することが可能です。
ナプキンをつける日数が減れば、結果的に肌トラブルも軽減できるでしょう。

参考:小林製薬株式会社 サラサーティCleanについて

出典:Canva

腟内洗浄の注意点


腟内洗浄は、単発的に使用できても、日常的に使用することはあまり望ましくありません。
健康な女性の腟内には乳酸菌をはじめとする複数の常在菌が存在しています。
乳酸菌が存在すると、腟内は弱酸性を維持し、病原菌から身体を守る自浄作用が正常に働きます。
しかし、腟内洗浄を何度も行ってしまうと、体にとって必要な常在菌まで洗い流してしまい、この自浄作用の効果を薄める恐れがあるのです。
また、腟内洗浄は、腟内に残った経血を洗い流せても、子宮内膜からの出血を止めることはできないため、生理期間を短くすることはできません。

腟内洗浄は、生理の終わりかけで残った経血を出し切りたい、デリケートゾーンの蒸れを解消したいなどのタイミングで、月に1〜2度使用する程度なら問題ないといえるでしょう。

腟内環境は、ストレスや健康習慣の乱れで悪化すると考えられており、乳酸菌が減ることでおりものが増えたり、匂いが気になったりすることがあります。
おりものがチーズや酒粕のようなボロボロとした形状、悪臭、痒み、腹痛などを伴う場合は、クラミジア感染症や子宮内膜炎などの病気が疑われることも。
クラミジア感染症は放置すると、不妊症の原因にもなるため、違和感がある場合は早めに婦人科を受診してください。


生理を本当に早く終わらせる方法:ピルを服用する

煩わしい生理を少しでも楽にする方法として、ピルを服用することが挙げられます。
生理期間が7日以上続くことが多い場合(過長月経と)や、経血量が多く、夜用ナプキンを1時間毎に交換しなければならない程の場合(過多月経)は、月経異常に対する治療が必要です。
生理が辛い・」早く終わらせたいと思ったら、まずは婦人科を受診しましょう。
ピルを処方してもらい、治療することが一番の解決策となります。

ピルのメリット

エストロゲンが含まれるピルは、経口避妊薬としての効果だけでなく、生理期間を短縮する作用や生理の量を減少させる、生理痛を緩和する作用が期待できます。
本来、卵巣から分泌されるエストロゲンには、子宮内膜を増殖させる役割がありますが、ピルを服用することで、脳が勘違いしてエストロゲンの分泌を抑制します。
その結果、子宮内膜の増殖が抑えられると、経血量が減り、生理期間も短くなるのです。
また、ピルの種類の中には、エストロゲンとプロゲスチン(人工のプロゲステロン)が含まれた低用量ピルもあり、PMS(月経前症候群)の症状の改善に効果があることも知られています。
排卵後から生理にかけて急激に分泌されるプロゲステロンは、PMSの原因だといわれており、ピルでプロゲステロンの分泌も抑制することで、心身の体調不良の軽減が期待できます。
その他にも、肌荒れ対策や生理痛緩和、子宮内膜症の治療としても使われています。

参考:日本産科婦人科学会 低用量経口避妊薬の使用に関するガイドライン(PDF)

出典:Canva

ピルのリスク・デメリット

女性ホルモンのバランスを整えて、生理にまつわる不快な症状改善や婦人科疾患の治療にも有効なピルですが、服用による副作用や注意点も知っておかなければなりません。
特に、飲み始めの1週間は、吐き気や頭痛を伴うことがあります。
また、服用してから3カ月間は、下記のような副作用が生じる場合があるため、続くようであれば医師に相談しましょう。
・不正出血
・胸の張り
・むくみ
・倦怠感 など

特に注意しなければならない副作用は、血栓症のリスクが高まるということ。
服用していない場合より約2〜3倍発症しやすいといわれていますが、妊娠中や産褥期の血栓症リスクより低いです。
しかし、高齢、喫煙歴がある、肥満などの条件が重なると、血栓症やその他の副作用のリスクが高くなってしまいます。
特に、35歳以上で1日15本以上タバコを吸う方や、チカチカを伴った片頭痛を患っている方は、ピルの服用ができません。
これまでの治療歴や健康状態を医師に伝えて、適切に処方してもらいましょう。

出典:Canva

月経カップで生理中でも快適に過ごす

早く終わらせたいけれど、まずは不快感を減らせる方法はないかな、そんな時には月経カップを利用することもおすすめです。
月経カップとは、タンポンよりも長時間腟内に装着でき、経血を溜めることが可能なシリコン製のカップのこと。医療用シリコンで、洗って何度も使えることから経済面でも安心です。
最長12時間使用できる月経カップもあるので、朝装着すれば仕事中に気にすることなく快適に過ごせます。また寝る時の経血漏れの心配も少なくなるでしょう。
月経カップは装着してもタンポンのように紐がついておらず、慣れれば違和感も少ないです。
ナプキンによる肌のかぶれ・蒸れから解放されることは、大きなメリットといえます。
きちんと規定の時間内に交換することや、煮沸消毒などお手入れは必要ですが、経血が多い方の味方になってくれるでしょう。

出典:Canva

まとめ

生理の終わりかけに気になる蒸れやニオイの対策には、腟内洗浄を月に1~2度行ってみると良いかもしれません。
経血漏れの心配やナプキンの不快感が気になる方は、月経カップを使用するのもおすすめです。
生理がなかなか終わらない、経血量が多いなど生理期間が辛い場合は、ピルを処方してもらうことも検討してください。
自分に合った適切な方法で、生理期間を少しでも快適に整えましょう。

参考:月経対策をしてコンディションを整えよう(PDF)

Photo:YUKIE SUGANO (CUBISM)
Text:YURIKA