医師が解説する【美容医療】Q&A


教えてくれたのは…「Clinic K」金 児盛院長

教えてくれたのは…藤巻あいら先生
①基礎知識・選び方編
Q. 美容医療はどんな基準で選べばいいの?クリニックや医師の選び方は?
A. 予算、施術の口コミをチェックし、医師が診察するクリニックを選ぼう。
・PR案件を除く、自分が受けたい施術に関する口コミを参考にする
・医師が直接診察をしてくれるクリニックを選ぶ
「まずは自分の予算に合うかどうかを基準にするのがいいと思います。PR案件を除く、自分が受けたい施術に関する口コミを参考にするのも大事。
日本人が多く通い、予約が取りにくいクリニックは、安心かと! あとは施術前にカウンセラーではなく医師が直接診察をしてくれるクリニックはおすすめです。」(金先生)
「何かが起きてしまった時に迅速に対応してくれる医師・クリニックを選ぶことが、とても大切なポイントです。
また、
・カウンセラーさんではなく、医師が治療方針を決定する
・質問の返答をごまかさずに理論に基づいて説明しているかどうか
というポイントも見極めるときにいいかもしれません。」(藤巻先生)
Q. ボトックスとは?どんな治療なの?
A. ボトックスとは、筋肉の動きを適切にコントロールするために注射で使うお薬。
美容医療においては、表情ジワ、多汗症、輪郭・フェイスライン・エラ、肌質の治療になります。

「通常、表情筋を動かす際、神経からアセチルコリンという筋肉を動かすための信号が出ます。ボトックスはこの信号(アセチルコリン)が出ないようにしてくれます。
美容医療においてのボトックスの使用目的は、表情ジワ、多汗症、輪郭・フェイスライン・エラ、肌質の治療になります。」(藤巻先生)
Q. 糸リフトとハイフってどう違うの?
A. 糸リフトとは、たるみにくくする施術のことで、
ハイフとは、リフティング効果を得られる施術のこと。
「まったく別物。糸リフトとは、外から異物を入れて引き上げることによって、中の維持靭帯を固定して、たるみにくくする施術のこと。ハイフとは、筋膜に熱を加えて引き締めることで、リフティング効果を得られる施術のこと。しゃぶしゃぶの肉をイメージするとわかりやすく、〝タンパク質の熱凝固〞によるもの。
ハイフはやりすぎるとよくないという意見もあるけれど、しっかり知識を持った専門家のもとであれば問題なく、逆にセルフハイフなどで機械の出力を操作できるようなところには注意を。たるみ予防として糸リフトを年に1回、ハイフを年2回くらい受けるのを推奨。」(金先生)
Q. ヒアルロン酸注入とは?
A. ヒアルロン酸注入は、顔や首、手の甲に注入することが基本。
「ヒアルロン酸注入は、顔や首、手の甲に注入することが基本であり、これはヒアルロン酸注入の歴史からも、安全性は確立されています4)。またガイドライン上も、顔に対するヒアルロン酸注入の安全性に関しては、合併症は軽微なものがほとんどで比較的安全な治療と言われています。(※)
ただし!ここで、注意したいのがヒアルロン酸注入による豊胸術です!
実は、ヒアルロン酸注入による豊胸術は、ガイドライン上も、安全性は保証できず、行わないことを強く推奨する、とされているのです!!
ヒアルロン酸による豊胸術では、顔とは違い使用する量もはるかに多く、そもそも顔と乳房は組織の特徴が全く異なることから、乳房は容易にしこりになりやすい箇所として知られています4)。また、注入を繰り返すことで持続的な炎症がおき乳癌発生リスクを高めたり、乳がんの発見を遅らせる可能性もあるとされています1)」(藤巻先生)
1) 特別号美容医療診療指針(令和3年度改訂版), 全日本病院出版会 日本美容外科学会会報(2022)Vol. 44 https://www.dermatol.or.jp/uploads/uploads/files/guideline/biyo2v.pdf)
Q. フォトフェイシャルとは?
A. M22などの治療機器で有名なルミナス社(ルミナス・ビー・ジャパン株式会社)の登録商標であり、一般名をIPLといいます。シミだけでなく、赤ら顔・ハリにも効果的!
「実はフォトフェイシャルとは、M22などの治療機器で有名なルミナス社(ルミナス・ビー・ジャパン株式会社)の登録商標であり、一般名をIPLといいます。今回は、分かり易さのためにIPLをフォトフェイシャルと呼び、以下解説していきます。
フォトフェイシャルの施術は、メラニンに吸収される波長だけでなく、赤みに吸収される波長、水に吸収される波長等、色々な波長をカバーしており、シミや赤ら顔以外にも、皮膚のコラーゲンを増やしてハリをださせることなどにも有効な治療です2)。エネルギーは弱いためダウンタイムやリスクも低い一方で、1カ月に1度3~5回ほど、繰り返しの治療が必要となります。
また、フォトフェイシャルでシミを治療する場合は、メラニンを持つ皮膚細胞に光が吸収され、その熱エネルギーで細胞にダメージを与えます。ダメージを受けた皮膚のターンオーバーによってシミを薄くしていく仕組みです3)。レーザーと異なり、テープは不要でいわゆるダウンタイムの少ない治療ですが、紫外線対策はしっかり行ってください!
ただし!ここで重要なのが「どの種類のシミなのか」ということです。シミといっても色々な種類があり、ぽつぽつとした茶班のそばかすや、小型の丸い茶班である日光黒子に対してはレーザーやフォトフェイシャルが有効な場合が多いです。その一方、皮膚の深いところにメラニンがあるような、灰色や青みがかったタイプのシミには、フォトフェイシャルは効きません。
まずは、自分のシミがどんなタイプかは是非医師の診断を受けてくださいね。」(藤巻先生)
2) Negishi K,et al. Lasers Surg Med. 2002;30(4):298-305.
3) Yamashita T,et al. J Invest Dermatol. 2006 Oct;126(10):2281-6.
Q. シミの効果的な治療法・施術は?
A. レーザーとフォトフェイシャルです。
「レーザーの場合は、しっかりシミをとるのに効果的! フォトフェイシャルの場合は、前述のように、シミだけでなく、赤ら顔・ハリにも効果的です。」(藤巻先生)
②お悩み・巷のウワサ編
Q. やり始めたらやめられなくなりそうで怖い…
A. そもそも美容医療は、「継続して楽しめる方」に向いているものだと思います。
「まず、美容医療をやめる必要がありますか? 継続するからこそ美しくなれるんです。一回の自己満足では変われない!
やり続けるのが怖いと思う人は正直、美しくなりにくいかなと。やったことに対して喜びを感じて、楽しめる人が続けられるもの。明日よりも今日の自分が一番若くて美しい。それを維持するための美容医療なので、続けることが大事!」(金先生)
Q. "若いうちから美容医療はやらない方がいい"って聞いたことあるけど本当なの?
A. 美容医療の基準は人それぞれだと思いますが、糸リフトやボトックスであれば20代半ばから、という人も。
「僕の周りの美魔女は幼少期から美容医療をやってますよ。韓国の美容クリニックに行くと中学生くらいの子も。
美容医療の基準は人それぞれだと思いますが、糸リフトやボトックスであれば20代半ばから、という人も。その年代に急激にコラーゲン量が減少し始めるので、遅くても20代後半に始めることが◎。
若いうちにボトックスでシワを予防、フォトフェイシャルやピーリングでたまに肌管理、シミができたらレーザーをすると、後々のケアが楽に。年齢を重ねるほどお金もかかるし、思うような仕上がりにならないことが多いので、ぜひ検討してみてくださいね。」(金先生)
Q. なぜ韓国の美容医療は日本に比べて安いの?
A. 機械や薬剤などの大半が韓国製である点が大きいです。
新しい機材や薬剤は世界へも売り出しているため、施術金額を下げることが可能。
「機械や薬剤などの大半が韓国製である点が大きいです。他国のウルセラやボトックスは韓国製に比べて金額もかなり高く、その施術を受けられるのは先進国の限られた人だけ。
韓国は激しい競争社会なので、新しい機械や薬剤が登場すれば、それを安く提供できるように研究し、追求してまた新たな機械を生み出す企業が多い。そして国内だけでなく世界へ売り、美容人口を増やすことで施術金額を下げることができます。
ただ、安いということが正解ではない。安ければ質もそれなりに下がることがあるので、そこはしっかりと理解しておこう。」(金先生)
③トレンドのメニュー・施術編
Q. 初めて美容医療を受ける人にオススメの施術って?
A. レーザーとボトックス、ハイドラフェイシャルを試すのが一番オススメかもしれません。
「美しさの基準は人によって差があるけれど、個人的な文化やトレンドに左右されないのが肌だと思います。どこに行っても誰が見てもキレイだと思うのは〝シミとシワのない赤ちゃん肌〞。
その観点から考えるとレーザーとボトックスがおすすめですが、シンプルにひとつだけであれば、自分のきれいになった肌を一度体感してほしいので、皮脂や角質を取り除き潤った肌へ導くハイドラフェイシャルを試すのが一番オススメかもしれません。」(金先生)
Q. 最近のトレンド施術って?
A. リジュラン施術! また、高周波やボルフォーマ施術がトレンドです。
「リジュランという本当に痛い施術があるんですが、去年の秋頃から痛みが3分の1くらいに抑えられた薬剤がいろいろな製薬会社から出始めたこともあり〝リジュランの戦国時代〞と言われています。僕のクリニックだと、リズネという施術で値段も少し抑えられているので受けやすいです。
あとはボルニューマ、デンシティ、オリジオXといった高周波が人気で、ボルニューマ×シュリンク(ハイフ)を組み合わせたボルフォーマも話題。」(金先生)
医師がおすすめする【美容医療】6選
今泉スキンクリニックに勤務する現役皮膚科医・藤巻あいら先生がおすすめの美容医療をお届け。実際の施術・メニュー例やビフォーアフター画像、効果など、まとめてご紹介します!
おすすめ美容医療施術①眉間ボトックス
効果のある部分:眉間、目尻、額、表情シワ
ボトックス自体は、眉間、目尻、額などの表情のシワ治療だけでなく、口角をあげやすくするために口角まわりに注射したり、 上唇をぷっくり見せたりするために口上に注射する方法もあります。おしゃべりしている時に出がちなあごの梅干しジワ解消のためにもいいですよ!

眉間ボトックス 22,000円(NABOTA)27,500円(VISTA)
▼施術の副作用(リスク)
注入時、針を使う治療なので多少の痛みがあります。ご希望の患者さまには麻酔クリームを使用します。
また治療後の数日間、赤みが出る場合がございますが、上からメイクをしていただいて問題ありません。軽い腫れや軽度の疼痛が出る方もいますが、翌日には治るケースがほとんどです。
おすすめ美容医療施術②フェイスライン・頸部マイクロボトックス
効果のある部分:エラ、輪郭・フェイスライン

筋肉を休ませることで、エラやフェイスラインがすっきり見える効果があります。

フェイスライン・頸部マイクロボトックス 49,500円(NABOTA)55,000円(VISTA)
▼施術の副作用(リスク)
注入時、針を使う治療なので多少の痛みがあります。ご希望の患者さまには麻酔クリームを使用します。
また治療後の数日間、赤みが出る場合がございますが、上からメイクをしていただいて問題ありません。軽い腫れや軽度の疼痛が出る方もいますが、翌日には治るケースがほとんどです。
おすすめ美容医療施術③ポテンツァ
効果のある部分:ニキビ跡

ヘッドの先に取り付けられたマイクロニードルを肌に挿入し、針先から高周波(RF:ラジオ波)を照射します。真皮層に、直接、熱エネルギーを与えることで、コラーゲンやエラスチンなどの生成を促すことで皮膚の再生を行い、ニキビ跡を改善させていきます。

ポテンツァニキビ跡 初回96,800円 通常1回料金121,000円+別途導入液22,000円
ニキビ痕治療の場合、症状によってやや強い痛みを伴うことがあります。数日から1週間程度メイクを控えていただくことがあります。
おすすめ美容医療施術④CO2フラクショナル
効果のある部分:ニキビ跡

レーザーを点状にあけることで皮膚の再生を促し、ニキビ跡を改善させていきます。

CO2フラクショナル 22,000円
ニキビ痕治療の場合、症状によってやや強い痛みを伴うことがあります。数日から1週間程度メイクを控えていただくことがあります。
これに加えてニキビ跡治療には、ケミカルピーリングやフォトフェイシャル、フラクショナルレーザー等、様々な選択肢があります。
おすすめ美容医療施術⑤ヒアルロン酸注射
効果のある部分:輪郭・フェイスライン、鼻筋

当院、今泉スキンクリニックでは、初回は「58,300円/1㏄」あたりで治療をうけていただけます。輪郭がすっきりして、鼻筋が通った印象に仕上がった1つ事例写真と詳細を紹介します。

施術名 ヒアルロン酸注射8cc、ボトックス注射
部位 ヒアルロン酸注射(額、こめかみ、頬、鼻、フェイスライン)
ボトックス注射(眉間、鼻翼、口角、頤)
治療費 ヒアルロン酸注射 58,300円/1cc(初回)、77,000円/1cc(2回目以降)
ボトックス注射 眉間/鼻翼/口角/頤 1か所あたり22,000円(NABOTA)27,500円(VISTA)
リスク 痛み、内出血、赤み、腫れ
おすすめ美容医療施術⑥フォトフェイシャル
効果のある部分:シミ、赤ら顔・ハリ感

フォトフェイシャルは、回数かけてでも低リスクで治療を行いたい!という方にご提案しています。フォトフェイシャルの頻度は、月1回をオススメしています。時期は日焼けがない時期がオススメです。しっかり日焼け対策を行っていただけるのであれば、夏場もIPLは可能です。以下の事例は4回の施術後になります。

費用 フォトフェイシャル初回 ¥16,500 2回目以降33,000円
照射時、部分的にパチンッとした刺激を感じる方がいます。
照射後、火照りや赤みを感じる方もいらっしゃいます。火照った感じは10分程度で落ち着きます。光に反応した色素沈着部分が、一時的に濃くなることもありますが、時間経過とともに薄くなります。
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