自律神経とは

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自律神経は、私たちが生きるために必要な機能の維持に働く神経系のことをいいます。

循環や体温調節、呼吸、消化などを調節している大事な神経です。体がベストな状態になるように、私たちの意思とは無関係に調節してくれているんです。

たとえば、暑いと感じた時に汗をかいたり、走るときに心臓の鼓動が早くなったり、という調節をしています。

そのほかにも、食後に消化をするために胃腸の動きを活発にしたり、ホルモン分泌をコントロールしたりするのも、自律神経の働きによるものです。

参考:一般社団法人日本臨床内科医会|自律神経失調症(pdf)

自律神経の働き

自律神経は交感神経と副交感神経の2つに分けられます。例外もありますが、交感神経と副交感神経は、お互いに反対の調節を担っています。例を挙げると、交感神経の刺激によって心臓の鼓動は早くなる一方で、副交感神経に刺激されると鼓動がゆっくりになるといった具合です。

交感神経は主に活動的なシーンにおいて働き、副交感神経は主にリラックス時に働いています。

日常生活を送れているのは、2つの神経が無意識のうちに、シーソーのようにバランスを取ってくれているおかげなのです。

自律神経の乱れから起こる”自律神経失調症”

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自律神経失調症になってしまう原因と、自律神経失調症に見られる症状を見ていきましょう。

自律神経が乱れる原因

様々な要因でストレスを感じ続けると、交感神経が働きっぱなしになってしまいます。

その結果、副交感神経の出番が減ると、リラックスして心身を休める機会が減り、自律神経のバランスが崩れる原因となるのです。

ストレスの他には、生活習慣やホルモンバランスの乱れなども関係していると考えられています。

参考:一般社団法人日本臨床内科医会|自律神経失調症(pdf)

自律神経失調症の症状


自律神経の乱れによって感じる不快な症状をまとめて、自律神経失調症と呼んでいます。

以下は、自律神経失調症の例です。

  • ・疲れが取れない、眠れない、だるい
  • ・不安、イライラする、やる気が出ない
  • ・頭痛、肩こり、動悸、めまい、息切れ
  • ・胃痛、腹痛、下痢、便秘、食欲がない

参考:厚生労働省|e-ヘルスネット 自律神経失調症

自律神経を整える方法

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一度乱れてしまった自律神経でも、生活習慣を整え、意識的に副交感神経が優位になる時間を作ることでバランスを整えられるので安心してください。それでは、自律神経のバランスを整える方法を5つご紹介します。

生活リズムを整える

1日は24時間なのに対して、体内時計は25時間の周期でリズムを刻んでいるため、ズレを直す必要があります。

体内時計をリセットするために、朝起きたらまずはカーテンを開けて朝日を浴びて、朝ごはんを食べましょう。

休みの日は寝だめをしたくなりますが、起きる時間は毎日一定にするのがおすすめです。

夜更かしは禁物。ベッドでスマホやタブレットを見るのも控えてくださいね。

バランスのよい食事で栄養補給

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ストレスに打ち勝つために積極的に摂りたい栄養素に、ビタミンB1、ビタミンC、カルシウムが挙げられます。

ビタミンB1、ビタミンCは神経を落ち着かせて、脳細胞を活性化する働きがあり、カルシウムや鉄などのミネラルは、筋肉や神経内で生理機能を調整する働きがあります。

それぞれの栄養素を多く含む食材は以下の通りです。

  • ・ビタミンB1:豚肉、小麦はいが、大豆、ナッツ、ほうれん草
  • ・ビタミンC:パプリカ、ブロッコリー、レモン、オレンジ、いちご
  • ・カルシウム:牛乳、チーズ、水菜

朝食には、さっと取れるイチゴやオレンジを追加して、夕食にほうれん草と豚肉のクリーム煮なんて献立はいかがでしょうか。

参考:新潟県|【魚沼】メンタルヘルスシリーズ第4回「自律神経を整えましょう」

腹式呼吸でストレス対策


「緊張しているな」と感じたら、その場でできる腹式呼吸でストレス対策をしてみましょう。

腹式呼吸の方法は、鼻からゆったりと息を吸い、口からゆっくり息を吐きます。自分に合った呼吸のペースで行うのがベストです。

試験前や大事な会議の前など、緊張を感じたシーンで試してみてください。気持ちがゆったりと落ち着いてくるのを感じられるはずですよ。

参考:東京大学大学院法学政治学研究科・法学部|コラム51:自律神経のしくみとストレスマネジメント

質の良い睡眠を

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睡眠は副交感神経が働き、心と身体の疲れを取ってくれる貴重な時間です。

質の良い睡眠を取る方法には以下の方法があります。

・寝る前のカフェイン摂取やタバコは控える
・寝酒をやめる
睡眠時間は5~9時間の間で、自分にあった睡眠時間にする
就寝2~3時間前に入浴する
38℃なら25分~30分、42℃なら5分ほどバスタブに浸かる
ベッドに入ったら、スマホやタブレットは見ない
真っ暗な部屋で寝る

参考:厚生労働省|e-ヘルスネット 快眠と生活習慣

適度な運動でリフレッシュ


続けるのが苦にならないくらいの適度な運動を習慣にするのも、自律神経を整えるのに役立ちます。

ウォーキングやストレッチなど、負荷が少ない運動がおすすめです。

特に「しばらく運動の機会が無かったな」という方は、いきなりスポーツを始めるとケガをしてしまうかもしれません。

まずはお家の周りをウォーキングなどから始めて、徐々に負荷を上げてみてくださいね。


まとめ


自律神経が乱れる原因と、乱れた自律神経を整える方法について解説しました。自律神経を整えるには生活習慣を整え、バランスの良い食事を摂り、身体を動かしてリフレッシュすることが最適です。朝起きたらカーテンを開け、気持ちのいい朝日を浴びることから一日を始めてみませんか。


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